ETFにはどんなリスクがある?
ETF(上場投資信託)は、低コストで分散投資が可能な優れた金融商品として人気ですが、「リスクがないわけではない」という点には注意が必要です。
この記事では、ETFに潜む主なリスクとその対策方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
代表的なETFのリスク
ETFに関する代表的なリスクは、以下のとおりです。
- 価格変動リスク
- 流動性リスク
- 分配金の不確実性
- 為替変動リスク(海外ETFの場合)
- 乖離リスク(インデックスとのズレ)
① 価格変動リスク
ETFは株式と同様に、リアルタイムで価格が変動するため、市場の値動きによって損失を被る可能性があります。
特に、株式市場が大きく下落したときは、ETFも連動して大きく値下がりするリスクがあります。
対策:
・長期保有を前提とした運用を心がける
・相場が不安定な時期には購入タイミングを分散する(ドルコスト平均法)
② 流動性リスク
ETFは取引所で売買されるため、市場に十分な売買高がないと、思った価格で売買できないことがあります。これが流動性リスクです。
対策:
・出来高が多い、人気のあるETFを選ぶ(VOO・VT・iSharesシリーズなど)
・市場が開いている時間帯に注文を出す
③ 分配金の不確実性
ETFには分配金がある商品も多くありますが、必ずしも毎回一定額が支払われるわけではありません。経済情勢や企業の業績によって、分配金が減額・停止されることもあります。
対策:
・分配金ありきで資金計画を立てない
・必要なら「分配金再投資型」も検討する
④ 為替変動リスク(米国ETFなど)
米国ETFのように外貨建てのETFを購入する場合、日本円と米ドルの為替レートによって実際の損益が変動します。
たとえ米国株が上昇してETFの価格が上がっていても、円高が進むと日本円換算での資産価値が目減りする可能性があります。
対策:
・為替リスクを意識して長期目線で運用する
・為替ヘッジ付きETFを選ぶ(ただし手数料が高くなることも)
⑤ 乖離リスク(インデックスとのズレ)
ETFはインデックスに連動するように設計されていますが、必ずしも完全に一致するとは限りません。運用コストや市場の歪みによって「乖離」が発生することがあります。
対策:
・低コストで信頼性の高いETFを選ぶ(VOO、eMAXIS Slimなど)
・複雑な戦略型ETFより、シンプルなインデックス型ETFを中心にする
ETFのリスクと上手に付き合うには
ETFはリスクがあるとはいえ、それらは事前に知っておくことで十分に対処可能です。リスクを受け入れた上で、長期的な視点で投資を行えば、大きなリターンを得られる可能性もあります。
以下のようなスタンスで向き合いましょう:
- 短期の値動きに一喜一憂しない
- 積立・分散投資でリスクをならす
- 自分のリスク許容度に合ったETFを選ぶ
ETFが向かないかもしれない人の特徴
すべての人にETFが向いているとは限りません。以下のような傾向がある人は、別の資産運用法を検討するのも一手です。
- 価格の上下に精神的に耐えられない
- 頻繁な売買で短期的な利益を求めたい
- 投資の勉強を全くしたくない
こうした場合、まずは投資信託やロボアドバイザー、定期預金など、より低リスクな商品からスタートするのもよいでしょう。
まとめ|リスクを理解した上でETFを活用しよう
ETFはコストが安く、分散投資にも優れている一方で、価格変動や分配金の不確実性などのリスクを持ち合わせています。
大切なのは、そのリスクを正しく理解し、戦略的に対処することです。
「なぜこのETFを買うのか」「どのくらいの期間保有するのか」などを明確にしたうえで、堅実な資産形成に役立てていきましょう。
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この記事を書いた人
資産運用100 編集部
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