1. はじめに|米国ETFを始めたいあなたへ
近年、多くの個人投資家が「米国ETF(上場投資信託)」に注目しています。その理由は、少額から分散投資ができ、低コストかつ優れたリターンを狙える商品がそろっているからです。S&P500に連動する「VOO」や全世界株式に投資できる「VT」など、初心者にもわかりやすく魅力的な銘柄が多く、NISA制度との相性も良好です。
とはいえ、初めて米国ETFに挑戦する方にとっては、どの証券口座が良いのか?円貨・外貨どちらで買うべき?手数料や為替の仕組みは?など、不安や疑問が多いのも事実です。
この記事では、初心者向けに米国ETFの買い方・始め方をステップバイステップで解説します。
2. 米国ETFとは?日本のETFとの違い
ETF(Exchange Traded Fund)は、株式市場に上場している投資信託です。中でも米国ETFとは、アメリカの証券取引所(NYSEやNASDAQなど)に上場しているETFを指します。
比較項目 | 米国ETF | 日本ETF |
---|---|---|
上場市場 | 米国(NYSE、NASDAQなど) | 東京証券取引所など |
通貨 | 米ドル建て | 日本円建て |
銘柄数 | 非常に豊富(3000以上) | 限定的(200前後) |
流動性 | 高い | 銘柄により差がある |
信託報酬 | 低コストが多い(例:VOOは0.03%) | やや高め(0.1〜0.5%) |
3. 米国ETFを買うために必要な準備
✅ 1. 証券口座を開設する(外国株対応)
外国株に対応している国内証券会社を利用します。以下の3社が代表的です:
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
どの証券会社もスマホアプリ・パソコンで簡単に取引でき、米国ETFの取扱数も豊富です。
✅ 2. NISA・新NISAの活用を検討する
2024年から始まった新NISAでは、成長投資枠を使って米国ETFを購入することが可能です。NISA口座を使えば、米国ETFの分配金や売却益が非課税になるため、非常に有利です。
ただし、米国での10%の源泉徴収税は非課税になりません。この点は後述する「税金」の章で解説します。
4. 米国ETFの買い方ステップバイステップ
ここでは、楽天証券を例に「VOO(S&P500連動型ETF)」を買うまでの手順を解説します。
STEP1:証券口座の開設とNISA設定
楽天証券などの口座を開設し、「外国株式取引」「NISA口座(任意)」の設定も同時に進めます。本人確認書類のアップロードを行えば、最短数日で口座開設が完了します。
STEP2:円貨決済 or 外貨決済を選ぶ
米国ETFは「米ドル」で取引されるため、円→ドルの両替が発生します。証券会社によっては:
- 円貨決済(自動で両替される)
- 外貨決済(あらかじめドルを用意しておく)
の2パターンが選べます。初めての方は、手軽な「円貨決済」がおすすめです。
STEP3:銘柄検索・買付注文
「VOO」「VT」「VTI」などのティッカーシンボルで検索し、購入株数を入力して注文を出します。
購入可能時間は、米国市場の営業時間(23時30分〜翌6時)が基本ですが、国内証券では時間外注文も対応しています。
5. 米国ETF購入時の注意点
⚠️ 為替レートと手数料
ETF価格は米ドルで表示されているため、円高・円安の影響を受けます。また、両替には為替手数料(通常1ドルあたり0.25円前後)が発生します。
⚠️ 米国市場の時差
米国市場は日本時間の深夜に開いているため、リアルタイム取引は夜間になります。ただし、日中でも「指値注文」を使えば発注可能です。
⚠️ 分配金の税金
米国ETFの分配金には、米国で10%の源泉徴収税、日本で20.315%の課税がかかります。ただし、確定申告で「外国税額控除」を使えば、一部を取り戻せる場合があります。
6. おすすめ証券会社3社を比較
証券会社 | 特徴 | 為替手数料 | 米国ETFの自動積立 | スマホ対応 |
---|---|---|---|---|
楽天証券 | ポイント投資が可能 | 片道25銭 | ○ | ○ |
SBI証券 | 外貨積立・手数料が安い | 片道4銭(住信SBI経由) | ○ | ○ |
マネックス証券 | 取扱銘柄数が多い | 片道25銭 | △ | ○ |
7. よくある質問(FAQ)
Q:1株から買えるの?
A:はい。米国ETFは1株単位で購入可能です。VOOやVTなどは1株3〜5万円程度から始められます。
Q:つみたてNISAで米国ETFは買える?
A:いいえ。つみたてNISAでは買えませんが、一般NISA・新NISA(成長投資枠)では購入可能です。
Q:配当金はどこに振り込まれる?
A:証券口座に自動で入金されます。再投資設定(DRIP)も一部証券会社で利用可能です。
8. まとめ|まずは小さく始めて、慣れることが大切
米国ETFは、世界経済の成長を取り込める効率的な資産形成手段です。買い方自体は難しくありませんが、通貨・時差・税制など日本国内とは異なる点があるため、少額から始めて学んでいくのがおすすめです。
証券口座の開設とNISAの活用をしっかり行えば、税金面でも有利な投資環境が整います。
まずは1株、ETF投資を体験してみてはいかがでしょうか?
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