ホーム > お金 > FX会社 > DMM FX > DMM FXの両建ては可能?仕組み・メリット/デメリットとリスクを実例で徹底解説
【結論】DMM FXで両建ては可能。ただし常用は非推奨
同一通貨の買い・売りを同時に持つ両建ては、短期的に損益変動を抑える選択肢です。しかし実務では、証拠金が双方で必要、スプレッドが2回分、スワップ逆ザヤなどでコストが積み上がり、維持率が下がって追証・ロスカットにつながるリスクもあります。本記事は、DMM FXのルールに沿った仕組み・コスト・使いどころ・代替案まで、今日から判断に使える形で徹底解説します。
この記事で分かること
- DMM FXで両建ては可能か、その前提と注意点
- 証拠金・スプレッド・スワップが口座に与える影響
- 両建てのメリット/デメリットと使うべき/避けるべき場面
- 維持率・追証・ロスカットとの関係と実戦シミュレーション
- 初心者でも実装できる安全運用のルール化と代替戦略
- 両建ては可能?:可否・前提・基本ルール
- コスト構造の理解:スプレッド・スワップ・機会損失
- メリットとデメリットを整理
- 維持率が落ちる理由:計算式とシナリオ
- 使いどころと回避ポイント
- “やるなら”の最低限ルール:損失限定テンプレ
- 数値で体感:等リスク固定+短時間防御
- よくある誤解と事実
- 代替戦略:“両建てなし”でも守れる仕組み
- ケース別シナリオ:両建てを使う/使わないの判断
- 解除戦略:“3手先”まで決めてから建てる
- 口座規模別:現実的なロットと“余力”の目安
- 日々コストの現実:スワップ逆ザヤ+拡大スプレッド
- 追証を出さない日次フロー:“定時点検”で未然防止
- スマホアプリ活用:“設定だけ”で事故率を下げる
- トレードメモの型:“意思決定の文章化”が最強
- “両建てに頼らない”ための発想転換
- 応用ケーススタディ:“短時間ヘッジ”の設計図
- 数値比較:“放置コスト”の現実
- 12チェック:“事故を呼ばない”ための定点観測
- 代替オプションの再整理:“両建てなし”でも守れる
- まとめ:“短時間・小量・先に損切り”でしか両建ては活きない
- よくある質問(FAQ)
両建ては可能?:可否・前提・基本ルール
- 可否:DMM FXは同一口座・同一通貨ペアの両建てが可能です。
- 証拠金:買い・売りの両方に必要証拠金が発生します(維持率は合算影響)。
- コスト:新規時のスプレッド×2、保有中はスワップ逆ザヤが生じやすいです。
- 判定:維持率100%未満で追証、50%以下でロスカットの可能性があります。
「同数量を買いと売りで持てば値動きが相殺されて安全」という誤解が多いですが、評価損益は相殺されても、証拠金と日々のコストは相殺されません。このギャップこそが両建て最大の落とし穴です。
コスト構造の理解:スプレッド・スワップ・機会損失
コスト項目 | 両建てでの特徴 | 口座への影響 | 対策 |
---|---|---|---|
スプレッド | 新規で買い・売り双方に発生(2回分) | 建てた瞬間から損益がマイナス寄り | 枚数を分割し、必要最小限のみ建てる |
スワップ | 受取<支払になりやすく、逆ザヤ化 | 保有時間が伸びるほど日々コストが増加 | 時間制限を設け、短時間の防御用途に限定 |
必要証拠金 | 両側に発生し、維持率が下がりやすい | 追証・ロスカットのリスクが上昇 | 総ロットを抑制し、アラート運用 |
メリットとデメリットを整理
メリット
- 不確実な局面で一時的に損益変動を緩和できる
- 反転を待つ間の時間稼ぎ(短期限定)
- 利確や損切りの分割調整に利用できる
デメリット(重要)
- スプレッド×2でエントリー時点から不利
- スワップ逆ザヤで日々コストが嵩む
- 必要証拠金↑→維持率↓で追証・ロスカット接近
- 判断の先送り癖がつきやすい(心理的罠)
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
維持率が落ちる理由:計算式とシナリオ
証拠金維持率=(純資産額 − 注文証拠金) ÷ 必要証拠金 × 100
両建てでは必要証拠金が増加しやすく、同時にスワップ逆ザヤで純資産が日々低下。分子は下がり、分母は上がり、維持率が落ちやすい構造です。
場面 | 状態 | 維持率への影響 | 対処 |
---|---|---|---|
建てた瞬間 | スプレッド×2で損益マイナス | 純資産わずかに低下→維持率微低下 | 最小枚数・短時間に限定 |
保有継続 | スワップ逆ザヤが日々蓄積 | 純資産低下→維持率低下 | 時間制限で長期放置を避ける |
相場急変 | スプレッド拡大・滑り | 一時的に維持率が急落 | イベント前は規模半分が原則 |
使いどころと回避ポイント
相対的に使ってよい場面
- 突発ニュースで短時間の一時防御に使う
- 利確・損切りの分割調整をしたい時
- 節目での反転確認までの“数十分〜数時間”限定
避けるべき場面
- 損切りの代替として常用する
- イベント前後に長時間放置する
- 証拠金が薄い状態で多枚数の両建て
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“やるなら”の最低限ルール:損失限定テンプレ
- 時間制限:両建ては最長○時間まで。超えたら強制解除。
- 規模制限:片側は反対側の1/2まで。総必要証拠金で維持率120%以上を死守。
- 先に損切り:IFD-OCOで建てると同時に損切りを置く(後付け禁止)。
- アラート:維持率100%/70%に通知。通知=即アクションの合図。
- イベント管理:高インパクト前は規模半分、週またぎは建玉縮小が原則。
数値で体感:等リスク固定+短時間防御
例:残高10万円、許容損失1%=1,000円、想定損切り20pips、USD/JPYで1万通貨=1pips約100円。
ロット=1,000 ÷ (100×20)=0.5万通貨。まずは片建て0.5万通貨で入り、急変時に短時間だけ0.2〜0.3万通貨の反対ポジを合わせ、落ち着いたら優先方向に寄せて解除。“時間+規模+損切り”の三点固定が要点です。
よくある誤解と事実
誤解1:両建ては“安全”
評価損益が相殺されても、証拠金と日々コストは相殺されません。維持率悪化に注意。
誤解2:ロスカットは起きない
スプレッド拡大・滑り・逆ザヤ蓄積で、ロスカット域に到達し得ます。
誤解3:初心者に向く
判断を先送りにしがちで、ルール化の徹底が難しい。代替策を優先。
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
代替戦略:“両建てなし”でも守れる仕組み
- 等リスク固定(1〜2%)でロット計算 → 過大ロットを禁止
- IFD-OCOで発注と同時に損切り先置き
- イベント前は規模半分、週またぎは建玉縮小
- 分割決済で一部利確 → 残りは建値ストップへ
- 価格&維持率アラート(100%/70%)で早期対応
ケース別シナリオ:両建てを使う/使わないの判断
第一パートで触れた通り、両建ては“短時間の防御用途”に限定するのが基本です。ここでは、実際によくある4つの局面をカードにまとめ、採るべき行動を即断できるように設計します。
局面A:急なニュースで乱高下
- まずは規模半分に縮小(分割決済)。
- 情報確認の間だけ、少量の反対ポジで一時防御。
- 内容が判明したら優先方向へ寄せて解除。
- 放置はNG:時間制限(30〜120分)必須。
局面B:節目で反転か継続か判断待ち
- 先に損切りを確定(IFD-OCO/トレール)。
- テストで小ロットの反対ポジ→5〜15分観察。
- 継続と判断ならヘッジ解除→本線に寄せる。
- 迷いが続くならノーポジ時間を作る。
局面C:イベント前(CPI/雇用統計/要人発言)
- 基本は縮小(規模半分〜ゼロ)。
- 両建ては原則使わない(拡大スプレッド対策)。
- 入るなら指標後の収れんまで待機。
- 週またぎも同様にギャップ対策で縮小。
局面D:損切りの代替として使いたくなった
- 即NG。判断先送り=コスト累積。
- 損切りを執行→再エントリーを検討。
- 「等リスク固定」でロット・距離を再設計。
- ルール化:両建て=短時間防御のみ。
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解除戦略:“3手先”まで決めてから建てる
両建てのままでは日々コストと維持率低下が進むため、建てる前に解除の順番までセットで決めます。下記の三択を、価格の進みと時間制限で分岐。
解除プラン1:本線温存
- 小ロットのヘッジを先に外す。
- 本線は建値ストップへ繰上げ。
- 以後は分割決済で利益を守る。
解除プラン2:どちらも半分
- 両側を同時に半分縮小して維持率回復。
- プライスタグに応じて残量を本線へ寄せる。
- 時間が来たら強制解除(放置防止)。
解除プラン3:一旦ゼロへ
- 全決済→ノーポジに戻す。
- 環境を再評価→小さく再入場。
- メンタル負荷が高いと感じたら最優先。
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口座規模別:現実的なロットと“余力”の目安
下表は、口座残高・損切り幅・リスク1%を前提にした概算ロットと、両建て時に確保しておきたい余力バッファの目安です(USD/JPYで1万通貨=1pips約100円目安)。実際のレートや通貨で異なるため、毎回再計算を。
口座残高 | 損切り幅 | リスク1% | 概算ロット(片建て) | 両建て時の余力バッファ | 運用メモ |
---|---|---|---|---|---|
50,000円 | 20pips | 500円 | 約2,500通貨 | 最低でも+20,000円 | 少額帯は両建て非推奨。片建て限定で練習。 |
100,000円 | 20pips | 1,000円 | 約5,000通貨 | 最低でも+30,000円 | ヘッジは極小+時間制限で。 |
300,000円 | 25pips | 3,000円 | 約12,000通貨 | 最低でも+80,000円 | 分割建て+建値繰上げでリスクを抑制。 |
500,000円 | 30pips | 5,000円 | 約16,000通貨 | 最低でも+150,000円 | イベント前は規模半分が原則。 |
日々コストの現実:スワップ逆ザヤ+拡大スプレッド
両建ては「止血」にはなりますが、傷は広がる設計です。仮にUSD/JPYを各1万通貨で両建てした場合のイメージを下に示します(数値は概念例)。
要素 | 影響 | 累積リスク | 対策 |
---|---|---|---|
スプレッド | 建て瞬間に往復分のコスト | 短時間でもジワッと損失 | 最小ロット・最短時間を徹底 |
スワップ | 受取<支払で毎日マイナス | 日数×ロットで積み上がる | 時間制限で放置回避 |
必要証拠金 | 両側に発生→維持率低下 | 追証/ロスカットが近づく | ヘッジは小量+短時間のみ |
拡大スプレッド | 指標・早朝で広がりやすい | 想定以上の損益悪化 | イベント前は規模半分 |
追証を出さない日次フロー:“定時点検”で未然防止
- 始業前(準備):経済指標を確認→高インパクトは規模半分ルール。
- エントリー前:等リスク固定でロット算出→IFD-OCOで損切り先置き。
- 保有中:価格通知+維持率70%目安でアラート。
- イベント1時間前:建玉縮小・ヘッジ禁止(防御は決済で)。
- 日次クローズ前:含み損が大きい順に部分決済で軽くする。
スマホアプリ活用:“設定だけ”で事故率を下げる
設定すべき機能
- 価格通知×2本(利確帯/損切り帯)
- 維持率アラート(100%/70%)
- クイック決済ショートカットの配置
- ワンタップ設定の誤発注防止を確認
やりがちなミス
- 両建てを損切りの代替にする
- 通知オフで気づくのが遅れる
- イベント前に規模を増やす
- トレール未設定で利益を逃す
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
トレードメモの型:“意思決定の文章化”が最強
テンプレ(コピーして使える)
【日時/相場環境】○/○ ○:○ 指標:有/無 方向:上/下 ボラ:低/中/高 【狙い/根拠】○○ブレイク/戻り売り/押し目買い 【リスク設計】口座残高×1%=許容損失○円/損切り○pips/ロット○通貨 【実行】IFD-OCO登録(利確○pips/損切り○pips)/分割決済:有 【両建て】原則なし。使うなら小量・最長○分で解除、解除プラン1/2/3 【結果/反省】○○。次回の改善点:○○
“両建てに頼らない”ための発想転換
- 先に損切りを置く=両建ての要否が減る
- 分割エントリー/分割決済=反転の揺れを設計で吸収
- 指標前は縮小=予測より回避を選ぶ
- 統計の裏取り=“感覚”で両建てを作らない
応用ケーススタディ:“短時間ヘッジ”の設計図
第二パートでは「両建ては防御に限る」を前提に、局面別の原則を示しました。ここからは、実務で迷いを潰すための“応用シーン”をさらに深掘りします。下の4カードは、建てる前に解除まで決めるという思想を、具体的な動作手順に落とし込んだものです。数分〜数時間の短期で完結させ、放置を絶対にしないことが前提です。
シナリオ1:トレンド追随 × 一時ヘッジ
- 本線ロング0.5万通貨。押し目が深く不安。
- 戻り確認までショート0.2万でクッション。
- MA回帰で先にショート解除→ロングは建値繰上げ。
- 合計時間60分以内を上限に固定。
シナリオ2:逆行で捕まった × 逃げの設計
- ロング0.5万で逆行。半分決済で必要証拠金↓。
- 残りに対しショート0.2万で一時ヘッジ。
- 戻らなければ全決済→ノーポジへ撤退。
- 「期待」ではなく時間制限で切る。
シナリオ3:指標直後の荒れ相場
- 原則は縮小&様子見。入るなら最小ロット。
- 上下に振れる間はヘッジを増やさない。
- 収れん後に本線へ寄せてヘッジ解除。
- 拡大スプレッドに要注意。
シナリオ4:週またぎ・早朝のギャップ対策
- 週末は規模半分〜ゼロが原則。
- どうしても維持なら最小ヘッジで短時間のみ。
- 週明け直後の気配を見て速やかに片建てへ。
- ギャップ時の滑りを前提に考える。
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
数値比較:“放置コスト”の現実
両建ては「時間が味方しない」構造です。以下は概念的な比較表で、同一通貨を各1万通貨で両建てしたと想定した場合のイメージです(実数は通貨・時期で変動)。目的は、“短時間で終える意義”を定量感で掴むことです。
保持時間 | 新規時コスト(スプレッド) | 日次コスト(逆ザヤ想定) | イベント拡大リスク | 総評 |
---|---|---|---|---|
〜30分 | 小(往復分) | 極小 | 低(指標直後は除く) | 許容範囲。短時間ヘッジの本来の形 |
4時間 | 小 | 中(逆ザヤ累積) | 中(要人発言など警戒) | 放置は不可。解除プランを実行 |
24時間〜 | 小 | 大(日数×ロットで増大) | 高(拡大スプ・ギャップ) | 非推奨。両建ての価値が薄れる |
※数値はイメージです。実際の条件は通貨・時期・レートで変動します。
12チェック:“事故を呼ばない”ための定点観測
- 等リスク固定(1〜2%)でロット計算を毎回実施。
- IFD-OCOで損切りを先置き(後付け禁止)。
- イベント前は規模半分、週またぎは縮小が原則。
- 両建ては短時間のみ。時間上限を事前に決定。
- ヘッジ側は本線の半分以下のロットで。
- 維持率100%/70%でアラート。通知=即アクション。
- 分割決済を使い、利益の一部を確保→建値繰上げ。
- 連敗時は自動で規模半分(連勝で戻す)。
- スマホのクイック決済ショートカットを常用位置に。
- 日次クローズ前に薄くする(必要証拠金を軽く)。
- 「両建て=防御」以外の目的には使わないと明文化。
- 週1回、取引メモで“先送り癖”の兆候を点検。
代替オプションの再整理:“両建てなし”でも守れる
発注・リスク設計
- 分割エントリーで価格の揺れを吸収
- OCOで利確・損切りをセット
- 建値ストップでリスクを縮小
- ボラ高は距離広め×ロット小さめ
メンタル・運用ルール
- 時間で切る(○分・○時間で強制終了)
- 連敗時は休む(翌日までフリーズ)
- “取り返す”は禁止ワード
- 週末に統計検証→翌週の改善へ
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
まとめ:“短時間・小量・先に損切り”でしか両建ては活きない
両建ては「守り」のつもりでも、証拠金の二重負担とスワップ逆ザヤのせいで、時間が経つほど口座を削る設計です。価値があるのは、短時間の荒れをやり過ごすクッションとして小量を当て、収れん後にすぐ解除する使い方だけ。
そのために必要なのは、等リスク固定・IFD-OCO・時間&規模の上限という3点の事前設計です。これらを守れば、“両建てに頼らない”運用でも十分に損失を限定し、再現性のあるトレードを積み上げられます。
最後にもう一度――両建ては“最後の一手”。常用しない。この一行を、取引ノートの最上段に固定しておきましょう。
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