外為オンラインの稼働停止/再開ルール|iサイクル2取引™の判断基準
iサイクル2取引™は“置いて回す”からこそ、止める勇気と再開の型が成績を左右します。本稿では 停止のKPI(維持率・スプレッド・滑り・イベント)を数値で定義し、縮小→停止→段階再開までをテンプレ化。 誤判断を避けるための記録・検証の回し方も併せて提示します。
この記事で分かること
- 停止/再開を決めるKPI(維持率・実質コスト・イベント・通信)
- 縮小→停止→再開の標準手順とチェックリスト
- イベント(雇用統計/要人発言/メンテ)時の実務ルール
- 誤判断を防ぐ記録フォーマットと振り返りの型
結論:「止める基準」と「戻す段階」を先に決める
止める判断を運用中に考えるとブレます。先に数値閾値と段階復帰を決め、機械的に実行しましょう。
- 停止トリガー:維持率<160%/平均スプレッド急拡大(直近週平均の1.6倍超)/平均滑りの悪化(週平均比+0.3p超)/重大イベント前後/通信不安定
- 再開条件:維持率≥190%/スプレッドと滑りが週平均±20%に復帰/24h正常化の確認
- 段階復帰:新規本数(またはロット)を25%→50%→75%→100%で戻す(各段階でKPI再確認)
停止/再開のKPI早見表(保存版)
KPI | 監視方法 | 停止指標(例) | 再開指標(例) | 備考 |
---|---|---|---|---|
証拠金維持率 | ツールの口座状況 | <160%で新規停止、<140%で全停止 | ≥190%で段階復帰 | 端の本数間引きで先に改善 |
平均スプレッド | 主要時間帯で手動計測 | 直近週平均の1.6倍超 | 週平均±20%内に復帰 | イベント跨ぎは強制停止 |
平均スリッページ | 約定履歴の差分 | 週平均比+0.3p以上 | 週平均±20%内 | 成行は封印、予約主体 |
イベント/ニュース | 指標カレンダー/公式発表 | 重要指標の前後±30分 | 翌営業日の平常化を確認 | 要人発言日は慎重に |
通信/システム | 遅延・タイムアウト | 再現性ある遅延/不安定 | 安定24h継続 | 公共回線での発注禁止 |
標準手順:縮小 → 停止 → 段階再開
iサイクル2取引™は“走り続ける”よりも止め方と戻し方が成績を安定させます。以下はブレないための標準手順です。
- アラート検知(予兆):維持率低下、スプレッド/滑りの悪化、重要指標前後、通信不安定を検知。新規発注のみ一時停止(保有は維持)。
- 縮小(緊急ブレーキ):レンジ端の本数を間引き、ロット0.5倍・総本数▲25%〜▲50%で着地。成行は封印し、予約(指値・逆指値)に限定。
- 全停止(遮断):維持率やコストが閾値を超悪化、またはイベント直前は新規・保有とも完全停止/手仕舞い。未約定の注文は取り消し。
- 状況観測(復帰判定):24時間の平常化(スプレッド/滑りが週平均±20%内、指標通過、通信安定)を確認。口座維持率は190%以上を目安に。
- 段階再開(スロットル戻し):新規本数/ロットを25%→50%→75%→100%の順で戻す。各段階でKPIを再評価し、悪化時は一段戻す。
- 事後レビュー:停止理由・値幅・損益・コスト・判断時刻を記録し、次回の基準に反映(テンプレは本パート末尾)。
補足:縮小の優先度は端の本数削減 → ロット縮小 → レンジ幅再設計の順。レンジ中央は“稼ぎ筋”になりやすいため温存し、外縁から軽くするのが原則です。
縮小オプション早見表(どれから削る?)
オプション | やること | 効果 | 副作用/注意 |
---|---|---|---|
端の本数カット | 上端・下端の外縁から本数を▲25〜▲50% | ドローダウン源の圧縮、維持率の即時改善 | 再び動意づいた際の取りこぼしが増える |
ロット縮小 | 全体ロットを0.5〜0.7倍へ | 証拠金負担と滑り影響を軽減 | 利確ペース低下。復帰時は段階で戻す |
利確幅拡大 | 利確幅を+20〜40%広げる | 回転数を抑え、コストを相対軽減 | 約定回数が減少。過剰拡大は停滞を招く |
レンジ幅再設計 | 中心寄せ/片側切り/通貨分散 | 構造的リスク縮小、相場適合度の改善 | 再検証が必要。急がず週末に実施が安全 |
イベント時の運用プロトコル(守るだけで負けにくい)
重要指標や政策イベントは、平常時と同じルールだと事故の原因になります。下記の簡易プロトコルで機械的に回避しましょう。
イベント | いつ止める? | 再開の目安 | 補足ルール |
---|---|---|---|
米雇用統計/米CPI/FOMC | 前後30〜60分は新規停止、保有は縮小 | 翌営業日、24h平常化を確認 | 成行禁止、OCOで指値/逆指値に限定 |
要人発言/緊急会見 | 即時に新規停止、保有は片側縮小 | ニュース沈静化+スプレッド正常化 | 片張り偏重ならヘッジ比率を上げる |
週末クローズ直前 | 金曜の終盤に新規停止、保有軽量化 | 窓開け後の落ち着き待ちで段階再開 | ギャップ埋め狙いの逆張りは原則禁止 |
メンテ/通信不安定 | 兆候時点で新規停止、保有縮小 | 安定24h継続を確認 | 公共Wi-Fiや電波弱い環境での操作禁止 |
注意:「たまたま大丈夫だった」経験は最悪の教師です。再現性のない成功体験は封印し、イベントは回避が基本に立ち返りましょう。
ケーススタディ:段階再開の実践(2例)
同じ“再開”でも、状況で配分は異なります。代表的な2パターンを示します。スマホは横スライドで確認できます。
例1:指標通過後の正常化(好転)
- 停止理由:雇用統計前後のスプレッド拡大
- 再開判定:翌営業日、週平均±15%に復帰
- 復帰配分:25%→50%→75%→100%(各8時間観測)
- メモ:成行は封印、OCO限定。維持率≥200%を維持
例2:トレンド転換(警戒残し)
- 停止理由:片側へ強いトレンド、維持率低下
- 再開判定:ボラ縮小+滑り改善を48時間確認
- 復帰配分:25%→40%→60%→80%(最大80%で様子見)
- メモ:レンジ中心寄せに再設計、端の本数は当面戻さない
※スマホでは横にスライドしてカードを確認できます。
記録テンプレート(コピペして運用ノート化)
停止と再開は記録→検証→改善の繰り返しで精度が上がります。以下を使えば3分でログ化できます。
【日時】yyyy/mm/dd HH:MM 【状態】停止/縮小/段階再開(25%/50%/75%/100%) 【理由】維持率xx%/スプレッド平均x.x→x.x/滑り平均x.x→x.x/イベント(内容) 【処置】本数▲xx%(上端xx/下端xx)/ロットx.x→x.x/レンジ中心寄せ/注文はOCO限定 【再開条件】維持率≥190%/スプレッド・滑りが週平均±20%内で24h継続 【結果】再開段階(25%→50%→75%→100%)、各段階でのKPI推移 【学び】良かった点/改善点(次回の閾値・配分・時刻)
コツ:「いつ」「何を基準に」「どれだけ戻したか」だけは必ず残す。次回の判断速度と品質が一気に上がります。
再開前チェックリスト(10項目)
停止からの段階再開に入る前に、次の客観指標を確認しておくと誤復帰を防げます。数分で一括点検できるように設計しています。
観点 | 判定基準(合格ライン) | 確認メモ |
---|---|---|
口座維持率 | 190%以上(望ましくは200%以上) | 余力がない再開は滑り増幅の原因 |
スプレッド | 直近24h平均が週平均の±20%以内 | 恒常的に広いなら復帰延期 |
スリッページ | 発注ログの平均滑りが通常期±20%以内 | 悪化時はロット小・本数少で試運転 |
イベント | 重要指標/会見の前後60分を回避 | 「やらない勇気」をテンプレ化 |
ボラティリティ | ATR・HVが直近ピークから収束傾向 | 拡散中は再設計の余地 |
価格位置 | 想定レンジの中心域近辺で戻し始める | 端での再開はDD再拡大の典型 |
通信安定性 | 回線・端末の24h安定を確認 | バックアップ端末の用意も再点検 |
残オーダー | 停止前の未約定予約は全取消 | 古い罠注文が事故の元 |
資金配分 | 通貨・戦略の比率が偏っていない | 偏りはヘッジ/分散で緩和 |
再開プラン | 25%→50%→75%→100%の段階表を用意 | 各段階でKPI再評価・逆戻り可 |
ワンポイント:中心から薄く戻すのが基本。外縁は最後に足す(または当面戻さない)。「戻す順番」で勝率が変わります。
ミスを減らす運用ルール(7つ)
停止/再開局面は作業が増えてヒューマンエラーが出やすいタイミング。以下のルールで事故率を下げましょう。
- 成行封印:急変期は成行禁止、OCO限定。滑りと誤発注を同時に抑制。
- 段階メモ:復帰率(25/50/75/100)をノートやタイトルに明記(例:[復帰50%])。
- アラート二重化:アプリ通知+メール。イベント・維持率・マージンに個別閾値。
- 一括変更の前に1通貨で試す:1通貨ペアを小ロットで先行復帰→KPI確認→横展開。
- レンジ設計は週末に:平日変更は“その時のノイズ”に最適化しがち。週末に検証→反映。
- ログは3分で即記録:停止理由・復帰段階・KPIの値だけメモ。後で“言い訳”が減る。
- 迷ったら縮小:悩むほど条件が揃っていないサイン。ロット0.5倍で安全側に倒す。
KPIの基準値(サンプル)
KPI | 通常期の目安 | 悪化シグナル | アクション |
---|---|---|---|
平均スプレッド | 直近週平均 | +20〜30%拡大 | 新規停止・縮小 |
平均スリッページ | 0〜小幅プラス | 2連続の悪化 | ロット半減・OCO限定 |
維持率 | 200%以上 | 190%割れ | 本数カット/通貨分散 |
遵守率(ルール) | 95%以上 | 90%割れ | 作業フローを簡素化 |
まとめ:止め方と戻し方が“成績の半分”を決める
iサイクル2取引™の利点は「自動で回る」ことにありますが、常に同じ回し方が正解とは限りません。
スプレッド拡大・滑り悪化・イベント集中・通信不安定といった外部要因が重なる局面では、新規を止める/本数を削る/ロットを落とすといった防御策を即断することで、大きなドローダウンを未然に避けられます。
復帰は「中心から25%ずつ」「KPIで毎段階チェック」「悪化したら一段戻す」という段階再開の型で行えば、感情に流されずに済みます。最後に重要なのは、記録→検証→改善を続けること。毎回の停止/再開を学習素材に変えるほど、再現性のある安定運用に近づきます。
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