非常時でも損失を最小化する“3段構え”が要点
外為オンラインのiサイクル2取引™運用中に、発注不能・約定遅延・価格配信遅れ・スプレッド拡大などのトラブルに直面したら、初動(止血)→記録(証跡)→連絡(復旧・照合)の順で淡々と進めるのが定石です。本記事は初動テンプレ、スクショ・ログの残し方、問い合わせフロー、復旧後の照合と再発防止KPIまで、実務でそのまま使える形に整理しました。
この記事で分かること
- 障害種別(発注不能・遅延・配信遅れ・スプレ拡大)の初動テンプレ
- iサイクル2取引™の安全停止・縮小ルールと切替運用
- 証跡として使えるスクショ・ログ・時系列メモの残し方
- 問い合わせ内容テンプレと連絡フロー(電話/チャット/メール)
- 復旧後の約定照合ステップと再発防止KPI設計
まずは“止血”:障害別・初動テンプレ
- 発注不能(エラーで通らない):成行は封印→残存の予約は維持→新規は一時停止→回線/端末を切替→時刻・通貨・数量・エラー文言をメモ。
- 約定遅延:連打禁止→1本/30秒などに制限→ログ保存→スリップ増大が続けばロット半減+新規休止。
- 配信遅れ・途切れ:チャートが止まったら監視のみ→予約は広め、新規・成行は見合わせ→バックアップ回線へ。
- スプレッド拡大:拡大幅のスクショ→新規休止→保有はOCO維持→落ち着いたらロット25%で試し再開。
iサイクル2取引™の安全停止・縮小ルール
自動運転ゆえ、「そのまま走らせない」判断が重要です。以下の簡易ルールを事前にメモしておき、迷わず実行します。
- 段階縮小:新規停止→稼働本数を50%→25%へ段階的に縮小。
- 再開基準:配信遅れ/スプレ拡大が30分連続で収束、平均滑りが平常±30%以内で25%再開→問題なければ当日100%へ。
- 保護:保有はOCO継続、成行禁止。逆指値は広すぎない位置に再調整。
証跡の残し方:スクショ・ログ・時系列メモ
- スクショ:画面全体(時刻・通貨・数量・価格・スプレッド・エラー文言・電波/回線表示)を撮影。
- ログ:アプリの約定履歴・注文履歴・通知ログを保存(日時と端末名をファイル名に)。
- メモ:「時刻→症状→対応→結果」を1行で時系列化。連絡時の伝達ミスを減らせます。
問い合わせフローとテンプレ
公式サポート(電話/チャット/お問い合わせフォーム)の最新の窓口・受付時間は、外為オンラインの公式サイトでご確認ください。連絡時は以下テンプレをそのまま使えます。
問い合わせテンプレ(コピー用)
【口座番号】(下4桁) 【氏名】(カナ) 【発生日時】(例:2025/05/10 21:03) 【端末/回線】(例:iPhone/4G→Wi-Fi切替も同様) 【ツール】(例:アプリ/PCツール/Web) 【通貨・数量】(例:USD/JPY 1万) 【症状】(例:発注エラー/配信遅れ/スプレ拡大) 【対応】(例:新規停止・ロット半減・再ログイン・端末/回線切替) 【証跡】(添付:スクショ/履歴ログ) 【要望】(例:当該時刻のサーバー状況と約定照合の依頼)
切替運用:回線・端末・ツールの“二系統化”
- 回線二重化:モバイル回線+Wi-Fi。通信不安なら即切替。
- 端末二重化:スマホ+タブレット/PC。ログイン情報は安全管理の上で事前登録。
- ツール二重化:アプリ+Webツール。いずれかが重いときに迂回。
- 最小ロット試験:復旧確認は最小ロット1本で。
復旧後の約定照合:差分検出の手順
- 障害時間帯の注文履歴・約定履歴を抽出(CSVやスクショ)。
- 想定価格帯(自分の根拠足・板/気配)と比較。
- 平均滑り(pips)を平常期と比較。平常±30%超なら要精査。
- 不一致の疑いがあれば、時刻・通貨・価格を明示してサポートに照会。
再発防止KPI:数値で管理して“判断を短縮”
指標 | 定義 | 目安/トリガー | 対応 |
---|---|---|---|
平均滑り | (約定価格−指値/成行板)の平均pips | 平常±30%超で異常警戒 | ロット半減→新規休止→照会 |
配信遅延 | ティック更新間隔の平均/最大 | 最大2秒超が連続 | 監視のみ→回線/端末切替 |
スプレッド拡大率 | 拡大幅/通常幅(%) | 200%超が継続 | 新規停止→保有はOCO維持 |
停止回数 | 月内の運用停止回数 | 月2回以上 | レンジ/本数/ロットの再設計 |
障害シーン別のやっていい/ダメ早見表
“迷い”を減らすため、場面別に可否と代替行動を整理しました。成行は最後の手段、まずは予約と新規停止で守りを固めます。
場面 | やってよい | やってはいけない | 代替アクション |
---|---|---|---|
発注エラー多発 | 新規一時停止/予約は広め維持 | 同一発注の連打・成行多用 | 端末/回線/ツール切替→最小ロットで検証 |
約定遅延 | IFD/OCOのみに限定 | 逆指値の過度な後追い移動 | ロット50%→25%へ段階縮小 |
価格配信遅れ | 監視のみ・記録強化 | 板が薄い時間の成行 | バックアップ回線・別端末へ即時切替 |
スプレッド拡大 | 保有はOCO継続 | 新規の成行・想定外のナンピン | 拡大幅のスクショ→安定後に25%再開 |
メンテ/告知あり | 事前の縮小・停止 | 終了直後のフル再開 | 最小ロットで通信確認→段階再開 |
連絡チャネルの使い分けと優先順位
窓口は状況で使い分けます。緊急=電話/準緊急=チャット/記録重視=メールが基本の並びです(受付時間は公式で最新をご確認ください)。
チャネル | 向く状況 | 強み | 弱み | ひと言メモ |
---|---|---|---|---|
電話 | 執行中/即時相談 | 初動が早い・切替提案 | 混雑時に待ち | 要点を結論→状況→要望で簡潔に |
チャット | 準緊急/文章で整理 | ログが残る・画像添付 | 機密照会は不可な場合 | テンプレで穴なく送る |
メール | 照合・後日対応 | 証跡/添付が万全 | 返信に時間 | 件名は「要約」+日付+通貨 |
ケーススタディ(A〜D):現場での判断を具体化
4つの代表例で、停止・縮小・再開・照会までの一連の流れを具体化します。
ケースA:米雇用統計でスプレ拡大
- 新規を60分前停止→保有はOCO維持
- 拡大幅を時刻つきでスクショ
- 安定確認30分→25%→50%→100%再開
ケースB:配信遅れと発注不能が併発
- 新規停止→端末/回線/ツールを順に切替
- 最小ロットで試験約定→平均滑りを記録
- 継続なら電話→照会、記録を添付
ケースC:深夜帯の板薄+成行多用
- 成行封印→予約限定へ切替
- ロット50%縮小、レンジは広め
- 朝の流動性回復後に段階復帰
ケースD:復旧後の照合で乖離懸念
- 想定価格との乖離一覧を作成
- 時刻・通貨・価格を明記しメール照会
- 返信はPDF保存→改善KPIへ反映
※スマホは横にスライドしてカードを確認できます。
停止→再開テンプレ(コピペOK)
【停止トリガー】配信遅延2秒超が連続/平均滑りが平常±30%超/スプレッド拡大200%超が10分継続 【初動】新規停止→ロット50%縮小→成行禁止→記録(スクショ・履歴・メモ) 【切替】回線→端末→ツールの順で切替、最小ロットで試験 【再開】指標後30分&KPI収束→25%再開→問題なければ当日100%へ 【照会】疑義があればテンプレで電話/メール。返信はPDF保管
証跡のフォルダ構成テンプレ
/Incident_YYYYMMDD_HHMM/ ├─ 01_Screenshots/ (画面全体・スプレ・エラー・時刻) ├─ 02_Logs/ (約定履歴CSV・通知ログ・アプリログ) ├─ 03_Notes/ (時系列メモ:時刻→症状→対応→結果) ├─ 04_Contact/ (送信文・受付番号・担当者・録音/要点) └─ 05_Response/ (返信メールPDF・照合結果・社内共有)
安全運用の最小セット(チェックリスト)
- 回線(4G/5G+Wi-Fi)・端末(スマホ+PC/タブ)・ツール(アプリ+Web)の二系統化
- 停止/再開の数値トリガーを事前定義(遅延・滑り・スプレ拡大)
- 予約限定を標準、成行は例外に限定
- 毎週のKPIレビューで改善(平均滑り・停止回数・復帰時間)
- 問い合わせテンプレ・フォルダ構成を事前に準備
復旧後の照合と再発防止チェックリスト
障害が落ち着いたら、実害の有無と次回に備える仕組み化を淡々と進めます。以下を上から順に確認してください。
- 約定照合:発注ID・時刻・通貨・数量・価格を履歴CSVで確認。想定との乖離を一覧化。
- 損益差分:乖離に起因する損益影響を試算(平均滑り・拡大スプレッドを別列で管理)。
- ログ保存:スクリーンショット・通知ログ・問い合わせ履歴・回答PDFを日付フォルダへ。
- KPI更新:平均滑り、停止回数、停止〜再開の所要時間、エラー率を週次ダッシュボードに反映。
- ルール調整:停止トリガー・段階再開の閾値・成行禁止条件・ロット縮小率を数値で再定義。
- バックアップ訓練:月1回、回線/端末/ツール切替のリハーサルを実施(最小ロットで)。
KPI | 目安 | 改善アクション |
---|---|---|
平均滑り(pips) | 平常時の±30%以内に収束 | 悪化でロット50%→25%へ段階縮小、予約限定へ統一 |
停止回数/週 | イベント週:1〜3回 / 平常週:0〜1回 | 停止トリガーを「遅延・配信・スプレ拡大」に分解し閾値を見直し |
停止→再開の所要 | 30〜120分(イベント規模に依存) | 通信確認の手順短縮、25%→50%→100%の復帰段階を自動化(テンプレ運用) |
問い合わせ応答SLA | 当日〜翌営業日で一次回答 | テンプレ送信で不足情報ゼロ化、受付番号・担当・要点の即メモ |
まとめ
- 初動は「新規停止・成行禁止・記録開始」を即時実行し、迷いを排除する。
- 連絡チャネルの使い分け:緊急=電話/準緊急=チャット/記録重視=メール(証跡は必ず保存)。
- 段階再開:25%→50%→100%の順で徐々に復帰し、各段階でKPI(滑り・遅延・スプレッド)を確認。
- 定量照合:発注ID・想定/実約定・差分を一覧化し、乖離の影響額を算出して問い合わせに添付。
- ルールの数値化・更新:停止トリガー、成行禁止条件、ロット縮小率を数値で管理し、事後に改訂。
- 冗長化訓練:回線・端末・ツールの切替を定期リハーサルし、非常時の所要時間を短縮。
よくある質問(FAQ)
Q1. 停止トリガーは何を基準に決めればいいですか?
・平均スプレッドが通常の2倍超/配信の明確な遅延が継続
・平均滑りが平常±30%を大きく逸脱
・アプリやWebのエラー頻発
いずれかを満たしたら新規停止・成行禁止を即時実行します。
Q2. 停止中の保有ポジションはどう扱うべき?
Q3. 再開の目安は?成行はいつ解除できますか?
成行の解除は平常KPIが連続で良化した後に限定的に実施し、基本は予約(指値/逆指値)中心を推奨します。
Q4. サポートへの問い合わせは何を送ればいい?
「口座番号下4桁/時刻/通貨・数量/注文種別/想定価格→実約定価格/差分(pips)/発生画面(端末・OS)/スクショ3枚」
発注IDと履歴CSVを添付すると検証が早まります。
Q5. 障害による損失は補填されますか?
まずは事実関係を定量化(乖離一覧・スクショ・ログ)し、受付番号を取得したうえで回答を待つのがセオリーです。
Q6. 週末やメンテに備えて事前にできることは?
具体的には、保有の軽量化、履歴CSVの保存、代替回線・端末の接続テスト、二段階認証の再確認までをチェックします。
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