FXの自動売買サービスの中でも、アイネット証券の「ループイフダン」は設定がシンプルで、ほぼ自動で売買を繰り返せる点が高く評価されています。忙しい会社員や投資初心者でも始めやすい一方、収益性と安定性を大きく左右するのが「通貨ペアの選び方」です。本記事では、経験者からの支持が厚いおすすめ通貨ペア5選を、特徴・メリット・注意点・設定の考え方とともに徹底解説。最後に「失敗を減らす選び方」と「運用のコツ」もまとめます。
この記事で分かること
- アイネット証券ループイフダンで人気の通貨ペア5選と特徴
- 各ペアのメリット・デメリット/スワップ・値動き傾向
- 初心者が避けたい落とし穴と安全運用のチェックポイント
- 通貨ペア選びの基準(流動性・レンジ幅・相関・目的別)
- 実務で役立つ設定目安(値幅・レンジ・ロットの考え方)
- ループイフダンとは?(超要点を先取り)
- 他社自動売買(例:トラリピ)との違い
- 通貨ペア選びの前提:4つの基準
- おすすめ通貨ペア①:米ドル/円(USD/JPY)
- おすすめ通貨ペア②:豪ドル/円(AUD/JPY)
- おすすめ通貨ペア③:ユーロ/米ドル(EUR/USD)
- おすすめ通貨ペア④:NZドル/円(NZD/JPY)
- おすすめ通貨ペア⑤:カナダドル/円(CAD/JPY)
- 5通貨ペアの比較早見表(相対評価)
- 目的別・通貨ペアの選び方(決め方のフレーム)
- 複数ペア併用のポートフォリオ例(目安)
- 値幅の違いで“効き方”はこう変わる(設計比較)
- 相関と分散で“ポジ偏り”を防ぐ(簡易マトリクス)
- 資金別モデルポートフォリオ(目安配分)
- 運用シナリオ別・即使えるチェックリスト
- まとめ|“中庸から始めて、データで寄せる”が勝ち筋
- よくある質問(FAQ)
ループイフダンとは?(超要点を先取り)
✔ 仕組み:あらかじめ決めた値幅で自動的に「買い/売り」を繰り返す。人間が張り付かなくても、24時間機械的に約定を積み重ねる。
✔ 強み:レンジ相場での回転力。小さな波でもコツコツ利確しやすい。設定がシンプルで、学習コストが低い。
✔ 注意:トレンドの一方向相場や突発イベント時は、含み損が増えやすい。レンジ設計・資金余力・イベント対策が超重要。
- 操作の簡単さ:プリセット(売買システム)と値幅を選ぶだけ。最短数分で稼働。
- 対象ペア:主要通貨から資源国通貨まで幅広く対応(実際の取扱は口座で要確認)。
- コスト構造:取引手数料は無料。実質コストはスプレッド+スワップ。
他社自動売買(例:トラリピ)との違い
項目 | ループイフダン(アイネット証券) | トラリピ(マネースクエア) |
---|---|---|
設定の手軽さ | ◎ 選ぶだけで稼働 | ○〜△ 自由度高/設計に時間 |
戦略の自由度 | △ 固定ロジック中心 | ◎ レンジ・本数・数量を自在に設計 |
学習コスト | 低い | 中〜高(検証前提) |
運用の安定感 | 初心者〜中級の標準運用に適合 | 設計依存(上手に組めば強力) |
通貨ペア選びの前提:4つの基準
- 流動性(出来高):流動性が高いほどスプレッドは安定しやすい。
- レンジ特性:過去の高安・ボラティリティから“回りやすい幅”を見極める。
- スワップ傾向:長期保有の柱にするなら、受け取り方向が優位なペアを選好。
- 相関関係:同方向に動きやすいペアの偏りを避け、分散する。
おすすめ通貨ペア①:米ドル/円(USD/JPY)
特徴
- 世界で最も取引量が多い通貨ペアの一つで情報量が豊富。指標・要人発言のスケジュールも把握しやすい。
- スプレッドが比較的狭い傾向で、回転系の自動売買と相性が良い。
- 日本時間でも出来高があり、“日中管理派”にも扱いやすい。
向いている投資家タイプ:「まずは王道で安定運用したい」「ニュースや経済指標を追いやすい環境が良い」人。
- 安定した流動性で約定が安定
- 情報入手が容易で学習しやすい
- スプレッドがタイトでコスト効率◎
- 政策・金利サプライズで大きく動く
- 狭いレンジに入ると回転が鈍化
- トレンドが強いと含み損が膨らみやすい
設定の考え方(例)
要素 | 初期の目安 | 意図・ポイント |
---|---|---|
値幅 | 0.6〜1.0円 | 中庸から開始し、回転/含み損のバランスを見る |
レンジ設計 | 過去6〜12ヶ月の高安基準で広め | イベントでの逸脱に備え、余裕を持つ |
ロット | 最小ロット→段階増 | 過大ロット厳禁。維持率重視 |
メンテ頻度 | 週1回+重要指標前後 | 新規抑制・一時停止のルール化 |
運用ヒント(USD/JPY)
- レンジ相場:やや狭めの値幅で回転数を確保。利確は欲張らずに。
- トレンド相場:値幅を広げる+ロット控えめで含み損耐性を確保。
- イベント週:新規抑制/一時停止でスプレッド拡大・スリッページを回避。
安全運用のチェックリスト(貼っておく用)
- 維持率は常に余力30〜50%を目安に確保
- 通貨分散:USD/JPY単独に偏らせない
- 月次レビュー:取引回数×平均スプレッド×数量でコスト可視化
過去半年の高安をもとに広めのレンジを設定し、中庸の値幅で稼働。イベント前後は新規を抑制し、ロットは段階的に増減。「回りやすいときに回す/荒いときは守る」を徹底することで、安定的な利益積み上げを狙う。
おすすめ通貨ペア②:豪ドル/円(AUD/JPY)
特徴
- 資源国通貨で、景気・資源価格(鉄鉱石など)との連動性が比較的高い
- 日本投資家に人気の高スワップ通貨の一角。長期保有と相性◎
- レンジ相場を形成しやすく、ループイフダンの回転に向く
- スワップ受け取り方向での運用が組みやすい
- 比較的素直なテクニカルが効きやすい
- 日本時間でも値動きが出やすい
- 資源価格・中国景気に左右されやすい
- 要人発言で短期の乱高下が出ることも
- イベント週にスプレッド拡大が起こりやすい
設定の考え方(例)
要素 | 初期の目安 | 意図・ポイント |
---|---|---|
値幅 | 0.7〜1.1円 | ボラを踏まえ、USD/JPYよりやや広め |
レンジ設計 | 過去1年の高安+α | 下方向余裕を厚めに取って耐性UP |
ロット | 最小→段階増 | スワップ狙いでも欲張らない |
メンテ | 週1+資源/中国指標 | 関連ニュースで新規抑制判断 |
おすすめ通貨ペア③:ユーロ/米ドル(EUR/USD)
特徴
- 世界最大の取引量を誇るメジャー通貨ペア
- テクニカルが比較的機能しやすく、指標イベントが明確
- 円絡みと組み合わせると、相関分散の効果が期待できる
- 流動性が非常に高く、約定の安定感
- イベントカレンダーが追いやすい
- 円高・円安の影響を緩和しやすい
- 米欧の政策サプライズで急変する
- 東京時間は値動きがやや限定的
- スワップ妙味が乏しい場面も
設定の考え方(例)
要素 | 初期の目安 | 意図・ポイント |
---|---|---|
値幅 | 0.006〜0.010(0.6〜1.0セント) | ボラ中庸、欧州/NY時間に回りやすい |
レンジ設計 | 主要節目(1.05/1.10/1.15など)を意識 | 節目跨ぎに余裕を持たせて設計 |
ロット | 最小→段階増 | 時間帯で回りが偏る点に配慮 |
メンテ | 週1+ECB/FOMC前後 | イベント時は新規抑制 |
おすすめ通貨ペア④:NZドル/円(NZD/JPY)
特徴
- 豪ドルと似た性質を持つ高スワップ通貨
- レンジ内での推移が比較的多く、自動売買の回転と相性良好
- 流動性は豪ドルに劣るが、複合運用のサテライトとして優秀
- スワップ受取を取り込みやすい
- レンジ形成で回転が期待できる
- 豪ドルとの二枚看板で分散
- 要人発言で短時間に動くことがある
- 流動性が相対的に低め
- 豪ドルとの相関が高くなる局面がある
設定の考え方(例)
要素 | 初期の目安 | 意図・ポイント |
---|---|---|
値幅 | 0.8〜1.2円 | 豪ドルより少し広めでもOK |
レンジ設計 | 過去1年+やや下方向を厚く | 突発イベントの下押し耐性を確保 |
ロット | 最小→分散増 | 豪ドルと同時過多に注意 |
メンテ | 週1+NZ指標日 | 重複イベントは新規抑制 |
おすすめ通貨ペア⑤:カナダドル/円(CAD/JPY)
特徴
- 原油価格との相関が相対的に高い資源国通貨
- 中庸のボラでレンジ形成が比較的安定
- 円絡みの分散先として、ポートフォリオに組み込みやすい
- 中庸ボラで設計がしやすい
- 原油と景気指標でシナリオが立てやすい
- 円絡みの分散として機能
- 原油急変で連動の急騰急落が起きる
- 北米イベント同時期は荒れやすい
- レンジ外に抜けると回転が止まりやすい
設定の考え方(例)
要素 | 初期の目安 | 意図・ポイント |
---|---|---|
値幅 | 0.7〜1.0円 | 中庸。原油イベント時は一時拡大 |
レンジ設計 | 過去1年の中心帯を厚め | 上下に逃げ道を確保 |
ロット | 最小→段階増 | 指標前後は新規を抑える |
メンテ | 週1+原油在庫/カナダ指標 | 複合イベントは新規停止 |
5通貨ペアの比較早見表(相対評価)
項目 | USD/JPY | AUD/JPY | EUR/USD | NZD/JPY | CAD/JPY |
---|---|---|---|---|---|
流動性 | ◎ | ○ | ◎ | △ | ○ |
スプレッド傾向 | 狭い | 中 | 中 | 中 | 中 |
ボラティリティ | 中 | 中〜やや高 | 中 | 中〜やや高 | 中 |
スワップ妙味 | 場面次第 | あり | 薄い場面も | あり | 場面次第 |
回転のしやすさ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
初心者向け度 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ |
目的別・通貨ペアの選び方(決め方のフレーム)
- まずは続けやすさ重視:USD/JPYを“軸”に
- 回転×スワップの両取り:AUD/JPY・NZD/JPYを組み合わせ
- 円の一方向リスクを緩和:EUR/USDを混ぜて相関分散
- 原油・資源リンクで分散:CAD/JPYを追加
タイプ | 狙い | 候補ペア | 備考 |
---|---|---|---|
初心者・学習期 | 安定回転で慣れる | USD/JPY+(AUD/JPY) | 中庸値幅・広めレンジ |
スワップ意識 | 回転+受取 | AUD/JPY・NZD/JPY | 保有時間が長くなりすぎない設計 |
相関分散 | 円一方向を緩和 | EUR/USD+USD/JPY | 時間帯の偏りに注意 |
資源分散 | 原油リンクを活用 | CAD/JPY+USD/JPY | 在庫統計・原油動向に注意 |
複数ペア併用のポートフォリオ例(目安)
ポートフォリオ | 配分イメージ | 狙い | 注意点 |
---|---|---|---|
ベーシック分散 | USD/JPY 50%・AUD/JPY 30%・EUR/USD 20% | 円・資源・欧米の三分散 | 時間帯による回転偏りを把握 |
スワップ強化 | AUD/JPY 40%・NZD/JPY 40%・USD/JPY 20% | 受取+回転の二段構え | 豪/NZ同時下落に備え資金余力厚め |
資源リンク分散 | USD/JPY 40%・CAD/JPY 40%・EUR/USD 20% | 原油相場の影響を取り込み | 原油イベント時は新規抑制 |
月次で「取引回数×平均スプレッド×数量」を計算し、“回っているペア”に配分を寄せると効率が上がります。
値幅の違いで“効き方”はこう変わる(設計比較)
同じ通貨ペアでも、値幅の取り方で回転数・含み損・スプレッド負担のバランスは大きく変わります。まずは中庸から始め、データで微調整するのがセオリーです。
設計タイプ | 値幅の目安 | 回転数 | 含み損の出やすさ | スプレッド負担比 | 向いている通貨ペア |
---|---|---|---|---|---|
狭値幅 | 0.2〜0.5円(USD/JPY換算) | 多い | 小〜中 | 大 | USD/JPY, EUR/USD |
中庸 | 0.6〜1.0円 | 中 | 中 | 中 | USD/JPY, AUD/JPY, CAD/JPY |
広値幅 | 1.1〜2.0円 | 少 | 中〜大(耐性必要) | 小 | AUD/JPY, NZD/JPY, CAD/JPY |
相関と分散で“ポジ偏り”を防ぐ(簡易マトリクス)
複数ペア運用では、同方向に動きやすい組み合わせが重なると、含み損が膨らみやすくなります。相関イメージを把握して配分を調整しましょう(相場次第で変動)。
USD/JPY | AUD/JPY | EUR/USD | NZD/JPY | CAD/JPY | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | — | 中 | 低〜逆 | 中 | 中 |
AUD/JPY | 中 | — | 低 | 高 | 中 |
EUR/USD | 低〜逆 | 低 | — | 低 | 低 |
NZD/JPY | 中 | 高 | 低 | — | 中 |
CAD/JPY | 中 | 中 | 低 | 中 | — |
資金別モデルポートフォリオ(目安配分)
総ロットは据え置きで、配分をコントロールするのが安全。以下は“考え方の例”です。
資金の目安 | 配分例 | 戦略の狙い | 注意点 |
---|---|---|---|
20〜50万円 | USD/JPY 70%・AUD/JPY 30% | 安定回転+スワップ少々 | 狭値幅にし過ぎない/維持率を厚めに |
50〜150万円 | USD/JPY 40%・AUD/JPY 30%・EUR/USD 30% | 円リスク分散+時間帯分散 | 欧州/NY時間に偏る点を意識 |
150万円以上 | USD/JPY 30%・AUD/JPY 30%・NZD/JPY 20%・CAD/JPY 20% | 回転+スワップ+資源分散の三立て | AUD/NZDの相関で総ロット過多に注意 |
運用シナリオ別・即使えるチェックリスト
- 値幅:中庸(0.6〜1.0円)
- ロット:最小→段階増
- 利確:欲張らずに固定幅
- 通貨:USD/JPY, AUD/JPY
- 値幅:広め(1.0〜1.5円)
- ロット:控えめ/新規抑制
- 利確:幅広/分割
- 通貨:USD/JPY, CAD/JPY
- 新規:停止/抑制
- 指標:雇用統計・CPI・政策金利
- スプレッド拡大:想定内に
- 既存:ロット縮小・ポジ整理
- 一時停止のルール化
- 維持率チェック(余力30〜50%)
- レンジ再設計
- ロット段階調整
まとめ|“中庸から始めて、データで寄せる”が勝ち筋
- 推しの5ペア:USD/JPY・AUD/JPY・EUR/USD・NZD/JPY・CAD/JPY
- 最初の設計:中庸値幅×広めのレンジ×最小ロット
- 分散軸:円リスク緩和にEUR/USD、資源軸にCAD/JPY、スワップ軸にAUD/NZD
- 運用ルール:イベント週の新規抑制/月次レビューで配分最適化
最短距離で上達するには、まず回りやすい設計で経験値を貯め、数字で微調整。これがループイフダン×通貨選びの王道です。
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