インヴァスト証券が提供する「トライオート」は、自動売買を中心にした人気の投資サービスです。デフォルト戦略だけでも十分活用できますが、戦略を自分でカスタムすることで、相場環境や投資スタイルに合わせてパフォーマンスを最適化できるのが大きな魅力です。この記事では、初心者でも理解しやすいように「トライオートの戦略カスタム方法」を徹底解説していきます。
この記事で分かること
- トライオートの戦略をカスタムする基本ステップ
- 初心者が失敗しやすい設定とその回避方法
- 中級者向けの応用カスタマイズ
- 資金管理やリスク調整のポイント
- 実際のカスタム戦略例
トライオート戦略の基本
トライオートでは、投資家が一からプログラムを組む必要はありません。インヴァスト証券が用意している「プリセット戦略」をベースに、必要に応じてレンジや数量などをカスタムできます。基本的な構成要素は以下の通りです。
レンジ幅
想定する価格帯を決める設定です。例えば「120円〜130円の間で自動売買を繰り返す」といった形で指定します。レンジを広くすると資金が必要になりますが、相場急変にも耐えやすくなります。
注文本数と数量
レンジの中にいくつ注文を並べるか、1本あたりの数量をいくつにするかを決めます。本数を増やせば細かく利益を拾えますが、含み損も増えやすくなるため注意が必要です。
戦略をカスタムする方法
戦略カスタムは「公式プリセットを修正する」イメージで行います。以下の手順で進めるのが基本です。
- 対象銘柄の選択:FX通貨ペアやETFの中から、自分が投資したい銘柄を決める。
- レンジ幅を決定:直近のチャートを参考に、相場が収まりやすい範囲を設定。
- 注文本数・数量を調整:リスク許容度に応じて、どのくらい細かく刻むかを決める。
- 利確幅・損切り幅を設定:利益を確定するポイント、損失を抑えるポイントを明確にする。
- シミュレーション確認:ツール内のシミュレーション機能で過去データに当てはめて検証。
これらを繰り返すことで、自分の資金量や相場観に合ったカスタム戦略が出来上がります。
初心者向けカスタムのコツ
トライオートを使い始めたばかりの方が最初につまずきやすいのが「設定を欲張りすぎる」ことです。自動売買は便利ですが、過大設定は一気に資金を減らすリスクもあるため、最初はシンプルで分かりやすいカスタムから始めましょう。
小ロット運用
まずは0.1万通貨など小ロットで始めることで、含み損拡大時の心理的な負担を軽減できます。慣れてからロットを増やしていくのが安全です。
狭いレンジ幅
想定レンジを広げすぎると、資金が大量に必要になります。まずは直近の値動きに合わせた狭めのレンジで様子を見るのがコツです。
初心者は「小さく始めて、様子を見ながら拡張」する意識を持つことが大切です。完全放置ではなく、週1回の確認を習慣にしましょう。
中級者向けカスタムの応用
基本に慣れてきたら、次はカスタムの応用です。ここからは「複数通貨ペアの分散」や「異なる戦略の組み合わせ」に挑戦してみましょう。自分だけのポートフォリオを作ることで、リスクを抑えながら収益機会を広げられます。
応用手法 | 特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
複数通貨ペア分散 | 異なる通貨ペアを同時運用 | リスク分散効果/異なる相場で利益機会 | 資金配分の調整が必須 |
レンジ型+トレンド型 | 2種類の戦略を組み合わせ | 相場局面に応じた利益取り | 設定が複雑になりがち |
裁量+自動売買ハイブリッド | 重要局面のみ裁量で対応 | 機械任せと人の判断を両立 | 裁量の失敗で全体を崩さない工夫が必要 |
応用カスタムの大きな魅力は、「相場状況に応じてどちらかの戦略が機能する」点です。例えばレンジ相場では細かく利確し、トレンドが出ればトレンド型戦略が利益を伸ばすといった使い分けが可能です。
資金管理とリスク調整のポイント
戦略をカスタムしていくほど重要になるのが資金管理です。含み損が膨らんだ時に慌てないためには、あらかじめ「どの程度のドローダウンまで許容するか」を決めておくことが不可欠です。
- 証拠金維持率の目安:常に200%以上をキープできる設定を心がける。
- ロット増加のルール:維持率や利益の増加に応じて段階的に増やす。
- 資金追加のタイミング:相場急変時にロスカットを避けるため、余剰資金を備えておく。
- 完全放置は避ける:最低でも週1回は稼働状況を確認する。
カスタム戦略の具体例
戦略のカスタム方法を理解したら、実際の例を参考にするのが効果的です。ここでは初心者と中級者に向けた代表的な戦略カスタム例を紹介します。
初心者向けカスタム例
- 対象:ドル/円(USD/JPY)
- レンジ幅:120円〜125円
- 注文本数:10本
- 数量:0.1万通貨
- 利確幅:30pips、損切りは設定せず
小さな利益をコツコツ積み上げる設計。推奨資金を守りつつ、まずは稼働の仕組みに慣れるのが狙いです。
中級者向けカスタム例
- 対象:豪ドル/NZドル(AUD/NZD)、ユーロ/円(EUR/JPY)
- レンジ幅:AUD/NZD → 1.05〜1.10、EUR/JPY → 130〜140
- 注文本数:各20本
- 数量:各0.2万通貨
- 利確幅:50pips、損切り:-100pips
レンジ相場が多いAUD/NZDとボラティリティの高いEUR/JPYを組み合わせたポートフォリオ型。分散効果でリスクを低減しつつ利益機会を広げます。
カスタム戦略を成功させるためのチェックリスト
カスタムを始める前に、以下のチェックリストを確認しておくと失敗を防ぎやすくなります。特に初心者は必ず意識して取り組みましょう。
- ✔ レンジ幅は直近相場の上下2〜3割をカバーできているか?
- ✔ 注文本数と数量は資金量に見合っているか?
- ✔ 含み損が最大化した時の資金耐性を試算しているか?
- ✔ 損切りを設定するかどうか、事前にルールを決めているか?
- ✔ 運用後にチェックする曜日・時間を決めているか?
カスタム戦略を長期で成功させる秘訣
戦略をカスタムする際、最初の設定も重要ですが、長期的に安定して運用する仕組みづくりがより大切です。短期的に利益が出ても、その後の相場変動で全て失うようでは本末転倒です。ここでは、カスタム戦略を継続的に成功させるための具体的な秘訣を解説します。
1. 相場環境に合わせた微調整を習慣化
トライオートの自動売買は便利ですが、設定したまま放置するのではなく、相場環境に合わせてレンジや数量を微調整することが欠かせません。たとえば、レンジが大きく外れた場合は新しい値幅に合わせた再設定が必要です。
2. 分散の考え方を取り入れる
自動売買は「一つの通貨ペアや一つの設定」に依存するとリスクが偏ります。複数の通貨ペアや異なる戦略を組み合わせることで、ある相場環境で損失が出ても、別の戦略でカバーできる可能性が高まります。分散はリスク管理の基本です。
3. 資金の安全マージンを確保
運用資金は常に「余力」を持たせておきましょう。証拠金維持率が200%以上を目安に管理できると、急な相場変動にも耐えやすくなります。逆にギリギリの資金で運用すると、ちょっとした下落でもロスカットに追い込まれやすくなります。
4. 成績を記録して振り返る
運用結果を記録し、月ごとに振り返ることで、自分の戦略の強みや弱みが明確になります。「なぜ利益が出たのか」「なぜ損失が出たのか」を分析することで、次のカスタムに活かすことができます。
5. 完全放置ではなく「見守り型運用」
トライオートの魅力は「自動で売買してくれる」ことですが、完全放置は危険です。特に、世界的な経済イベントや政策金利発表など、大きな値動きが予想される時期は設定の見直しや資金調整を行うべきです。「自動+定期チェック」の姿勢が成功のカギです。
まとめ
インヴァスト証券の「トライオート」は、デフォルトの戦略を使うだけでも便利ですが、戦略をカスタムすることで投資スタイルや相場環境に合わせた柔軟な運用が可能になります。特に、レンジ幅・注文本数・数量・利確損切り設定の4つを意識することで、自分だけのオリジナル戦略を作ることができます。
初心者はまず小ロット・狭いレンジで運用に慣れ、中級者以上は複数通貨ペアや戦略を組み合わせた分散運用に挑戦しましょう。大切なのは「無理なく続けられること」。トライオートは長期で取り組むほど効果を発揮する自動売買ツールです。
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