トラリピ(トラップリピートイフダン)は、一定の値幅で売買を自動化できるFX自動売買ツールです。成功のカギを握るのは「どの通貨ペアで運用するか」。レンジ相場を形成しやすい通貨ペアを選べば、長期的な安定収益が期待できます。本記事では、2025年版として最新の相場傾向とマネースクエア推奨のデータをもとに、おすすめの通貨ペアをランキング形式でご紹介します。
この記事で分かること
- トラリピの通貨ペア選びが収益に与える影響
- 2025年版おすすめ通貨ペアランキングTOP6
- 通貨ペアごとの特徴・メリット・デメリット
- 初心者と経験者で選ぶべき通貨ペアの違い
- 収益性を高めるための運用戦略例
- トラリピの通貨ペア選びが重要な理由
- ランキングの評価基準
- 初心者と経験者で選ぶべき通貨ペアの違い
- 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)の運用戦略とシミュレーション
- ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)の運用戦略とシミュレーション
- 豪ドル/円(AUD/JPY)・NZドル/円(NZD/JPY)の組み合わせ運用
- カナダドル/円(CAD/JPY)・米ドル/カナダドル(USD/CAD)の戦略
- 通貨ペア選びの最適化ポイント
- 資金別ポートフォリオ提案(レンジ×ロットの考え方)
- 相関と分散:同じ動きをしにくい組み合わせを選ぶ
- 利確幅・本数・レンジの「黄金バランス」を探る
- メンテ頻度と見直しポイント(週次・月次・四半期)
- ありがちな失敗と回避策
- ケーススタディ:分散ポートフォリオの成長曲線イメージ
- まとめ:2025年の通貨ペア選びは「分散」と「安全域」が鍵
- FAQ(よくある質問)
トラリピの通貨ペア選びが重要な理由
トラリピはレンジ相場でこそ真価を発揮する運用手法です。そのため、長期間レンジを形成しやすく、急激なトレンドが少ない通貨ペアを選ぶことが安定運用のポイントです。通貨ペアの特性を理解せずに選ぶと、損切りやロスカットに繋がるリスクが高まります。
ランキングの評価基準
本ランキングでは、以下の基準を総合的に評価しています。
- レンジ相場の安定性:過去10年のチャート傾向から判断
- スワップポイント:保有時の金利差収益
- ボラティリティ:適度な値動きがあるか
- 必要証拠金の低さ:少額運用のしやすさ
第1位:豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
マネースクエアが長年推奨する王道通貨ペア。豪州とNZという経済的に密接な国同士の組み合わせで、長期的にレンジ相場を形成しやすい傾向があります。スワップも比較的安定しており、初心者から上級者まで人気です。
- メリット:長期レンジの安定性、値動きが穏やか
- デメリット:大きな値幅利益は狙いにくい
第2位:ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)
ユーロ圏と英国という密接な経済関係を持つ地域同士の通貨ペア。ボラティリティはほどよく、「Half & Half」戦略が有効です。ただしAUD/NZDに比べて必要証拠金は高め。
第3位:豪ドル/円(AUD/JPY)
高金利通貨の代表格である豪ドルと日本円の組み合わせ。為替差益に加え、スワップ収入も期待できるため、中長期の資産形成向き。
第4位:NZドル/円(NZD/JPY)
豪ドル/円と似た性質を持ちながら、値動きはやや穏やか。豪ドルと組み合わせることでポートフォリオの分散効果を高められます。
第5位:カナダドル/円(CAD/JPY)
原油価格と相関が高い通貨ペア。エネルギー市場の動向に左右されやすい一方、資源国通貨としての魅力もあります。
第6位:米ドル/カナダドル(USD/CAD)
米国とカナダという隣国同士の通貨ペアで、比較的レンジが安定。トレンドが出にくく、トラリピ向き。
初心者と経験者で選ぶべき通貨ペアの違い
タイプ | おすすめ通貨ペア | 理由 |
---|---|---|
初心者 | 豪ドル/NZドル、NZドル/円 | 値動きが穏やかでレンジが安定しやすい |
経験者 | ユーロ/英ポンド、カナダドル/円 | ボラティリティを活かして利益を狙える |
豪ドル/NZドル(AUD/NZD)の運用戦略とシミュレーション
豪ドル/NZドルは、トラリピ運用における鉄板通貨ペアと呼ばれるほど人気です。過去10年の平均値幅は約1,000pips前後で、年間を通じて大きなトレンドが発生しにくい特徴があります。
推奨レンジ設定
- レンジ幅:1.03〜1.13
- トラップ間隔:0.001刻み
- 想定ロット数:資金50万円なら0.1万通貨×100本
過去5年間のバックテスト結果(例)
期間 | 確定利益 | 最大含み損 | 年利換算 |
---|---|---|---|
2020年 | +215,000円 | -140,000円 | +21.5% |
2021年 | +198,000円 | -120,000円 | +19.8% |
2022年 | +202,000円 | -135,000円 | +20.2% |
このように、毎年20%前後の安定した年利が期待できる一方、大きな含み損を抱える局面もあるため、資金管理は重要です。
ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)の運用戦略とシミュレーション
EUと英国という密接な経済圏の通貨ペアで、値動きは比較的穏やかですが、Brexit関連のニュースで一時的に大きく動くことがあります。
推奨レンジ設定
- レンジ幅:0.83〜0.93
- トラップ間隔:0.0015刻み
- 想定ロット数:資金70万円なら0.1万通貨×67本
戦略ポイント
- Half & Half戦略を採用し、レンジ上半分と下半分で発注量を変える
- ニュース時の急騰急落にはロット数を抑えて対応
過去5年間のバックテスト結果(例)
期間 | 確定利益 | 最大含み損 | 年利換算 |
---|---|---|---|
2020年 | +185,000円 | -165,000円 | +18.5% |
2021年 | +172,000円 | -150,000円 | +17.2% |
豪ドル/円(AUD/JPY)・NZドル/円(NZD/JPY)の組み合わせ運用
これらは高金利通貨のため、スワップポイントを得ながらトラリピを運用できます。両方を組み合わせることでポートフォリオの分散が可能です。
組み合わせ例(資金100万円)
通貨ペア | レンジ幅 | ロット数 | 配分資金 |
---|---|---|---|
AUD/JPY | 80〜100円 | 0.1万通貨×50本 | 60万円 |
NZD/JPY | 70〜85円 | 0.1万通貨×40本 | 40万円 |
この組み合わせにより、スワップ収入+為替差益を同時に狙えます。
カナダドル/円(CAD/JPY)・米ドル/カナダドル(USD/CAD)の戦略
資源国通貨のカナダドルを活用した戦略です。原油価格の変動が大きな要因となるため、エネルギー市況もチェックしましょう。
CAD/JPY戦略例
- レンジ幅:85〜100円
- トラップ間隔:0.2円
- 資金配分:50万円
USD/CAD戦略例
- レンジ幅:1.28〜1.38
- トラップ間隔:0.0015
- 資金配分:40万円
過去3年間のシミュレーション(USD/CAD)
期間 | 確定利益 | 最大含み損 | 年利換算 |
---|---|---|---|
2021年 | +165,000円 | -130,000円 | +16.5% |
2022年 | +158,000円 | -140,000円 | +15.8% |
通貨ペア選びの最適化ポイント
通貨ペア選びで重要なのは、分散・安定性・戦略の適合度です。
- 同じ性質の通貨ペアばかりを選ばない
- 値動きが穏やかなペアとやや激しいペアを組み合わせる
- 資金量に応じてロット数を調整
このように組み合わせと運用設計を工夫すれば、トラリピの収益性をさらに高められます。
資金別ポートフォリオ提案(レンジ×ロットの考え方)
第二パートで通貨ペアごとの戦略を整理しました。ここでは、実際に資金規模別でどう組み合わせると安定しやすいか、トラリピの基本原則「広いレンジ × 小ロット × 分散」に沿ってモデル案を示します。以下はあくまで方針の一例です。実施前に試算ツールで維持率や最大含み損の目安をご確認ください。
資金目安 | 通貨ペアと比率 | レンジ幅の考え方 | 意図・コメント |
---|---|---|---|
30〜50万円 | AUD/NZD 100% | 過去3〜5年の滞在帯を7〜8割カバー | まずは“挙動を学ぶ”段階。スプレッドよりも安全域を優先。利確幅はやや広めで回転を抑える。 |
80〜120万円 | AUD/NZD 60%、EUR/GBP 40% | それぞれ単独時よりもレンジを少し広げる | 性質が近い2ペアで分散。ニュース時にどちらか一方の回転が止まっても、もう一方が稼働しやすい。 |
150〜250万円 | AUD/NZD 40%、EUR/GBP 30%、USD/CAD 30% | 上段・中段・下段の3レイヤーで厚みを分配 | 3ペア分散で“機会損失の平準化”。資源連動のUSD/CADを入れて相関をやや外す。 |
300万円〜 | AUD/NZD 35%、EUR/GBP 25%、USD/CAD 20%、AUD/JPY 20% | 円クロスは上下ブレを広めに確保 | レンジ型3ペア+円クロスでスワップも一部取りにいく。維持率は常時300〜500%目安をキープ。 |
相関と分散:同じ動きをしにくい組み合わせを選ぶ
分散の基本は「同時に悪化しづらい」組み合わせを選ぶこと。たとえばAUD/NZDとEUR/GBPはともに地域内連動性がありレンジを作りやすい一方、USD/CADは資源価格(原油)との関係が強く、ニュースドライバーがやや異なります。
円クロス(AUD/JPYやNZD/JPY)を加える場合は、金利差やリスクオン・オフの影響で動きが拡大しやすいため、円クロスに厚みを置き過ぎないのがコツです。
例)AUD/NZD + EUR/GBP + USD/CAD(+少量のAUD/JPY)
利確幅・本数・レンジの「黄金バランス」を探る
トラリピは、利確幅を狭くすれば回転数が上がり、広くすれば1回の利益額が増えます。利確幅はスプレッドの数倍〜十数倍を目安に、「回転のしやすさ × コスト × 連続約定時の含み損増加速度」のバランスを取る設計が基本です。
本数(トラップ密度)は「中心価格付近を厚め」にすることで、往来が多いゾーンの捕捉率を上げられますが、厚くしすぎると資金が固定されて柔軟性が落ちるため、レンジ上下にも“逃げ道”を残しておくと良いでしょう。
設定チェックリスト
- 利確幅は「スプレッド×(8〜20)」を起点に微調整
- 厚みは中心帯に寄せつつ、上下限にも薄く敷いて“外れた時の戻り”を拾う
- 維持率は最低200%・推奨300〜500%を守る(優先度:維持率 > 回転数)
- 想定外の片方向トレンドに備え、停止・縮小・資金追加の手順を事前に決めておく
メンテ頻度と見直しポイント(週次・月次・四半期)
ほったらかし運用といっても、完全放置は非推奨。
週次では約定履歴と含み損のバランス、月次では中心価格の移動有無、四半期ではレンジの再定義(ボラの拡大/縮小)をざっくりチェックしましょう。
頻度 | チェック項目 | 具体的アクション |
---|---|---|
週次 | 約定回数、含み損、維持率 | 維持率が目標を下回りそうならロット縮小。回転が過剰なら利確幅を少し広げる。 |
月次 | 中心価格の変化、価格帯の偏り | 中心がズレたら厚み帯を移動。片側に偏る場合は上下の薄い帯を追加。 |
四半期 | ボラティリティ、ニュースイベント | レンジ幅を再定義。イベント前後はトラップ間隔を広げる、ロット減らす等。 |
ありがちな失敗と回避策
- レンジが狭すぎる:想定外のトレンドで稼働停止 → 滞在帯70〜80%カバーの広め設計
- ロット過多:維持率が急落 → 利確速度より生存を優先。ロットは段階的に増やす
- 通貨が偏る:同系統ばかりで同時に悪化 → 地域・ドライバーの違うペアを混ぜる
- コスト軽視:超狭利確で回転だけ上げる → スプレッド×回転数=実効コストを必ず試算
ケーススタディ:分散ポートフォリオの成長曲線イメージ
例として、100万円の資金で「AUD/NZD 60%・EUR/GBP 40%」の2ペア分散を1年間運用した場合のイメージ(あくまで仮例)。
月次の回転がブレても、2ペアで相互補完し、累積の上向きが安定するパターンが多くなります。
ポイントは「増やすときもゆっくり」。利益再投資で本数やロットを加える際は、毎月ではなく四半期ごとに検討すると過剰最適化を避けやすいです。
まとめ:2025年の通貨ペア選びは「分散」と「安全域」が鍵
2025年版ランキングでは、AUD/NZDが引き続き安定の上位。EUR/GBPやUSD/CADを組み合わせることで、地域・ドライバーの異なる分散が実現できます。
設定は「広いレンジ × 小ロット × 中心厚め」を基本に、利確幅はスプレッドの複数倍を起点として回転と維持率のバランスを最適化してください。
最後にもう一度。継続可能な運用こそ最強の戦略です。相場が想定とずれたら、止める・薄める・広げるの選択肢を恐れず淡々と実行しましょう。
FAQ(よくある質問)
Q. 初心者はどの通貨ペアから始めるのが無難?
Q. 人気通貨ペアの例と選び方のコツは?
選び方のコツは、(1)過去の滞在帯が広い、(2)ボラが極端でない、(3)相関が高すぎないの3点です。
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