高配当株投資を始める際、多くの人が迷うのが「日本株と米国株、どちらを選ぶべきか?」という点です。
結論から言えば、それぞれにメリット・デメリットがあり、投資目的やスタイルに応じた使い分けが重要になります。
この記事では、税制・為替リスク・配当頻度・増配実績・代表銘柄など、多角的に日本株と米国株を比較し、初心者でも納得して選べるようやさしく解説します。
日本株の高配当株:特徴とメリット
① 配当利回りが高めの銘柄が豊富
日本株は、単元株制度により最低投資額が大きくなりやすい一方で、表面利回りの高い銘柄が比較的多いです。
たとえば、次のような企業は5%前後の利回りを出しています。
- 日本たばこ産業(JT):利回り5.3%(2025年7月時点)
- 三菱HCキャピタル:利回り4.6%
- オリックス:利回り3.8%、長期保有特典あり
② 為替リスクがない・二重課税が発生しない
日本円で投資・配当を受け取れるため、為替による損益変動が発生せず、税制もシンプルです。
配当金には20.315%の源泉徴収(所得税+住民税)が適用され、確定申告の手間が少ないのも魅力です。
米国株の高配当株:特徴とメリット
① 配当が年4回(四半期配当)
安定的なインカムゲインが得やすいのが米国株の魅力の1つです。
多くの銘柄が年4回の配当を行っており、生活資金や定期的な再投資に適しています。
② 連続増配企業が豊富
米国には、25年以上連続増配を続けている「配当貴族」や、50年以上の「配当王」と呼ばれる企業が多数あります。
代表例:
- Coca-Cola(KO):62年連続増配
- Procter & Gamble(PG):67年連続増配
- Johnson & Johnson(JNJ):61年連続増配
③ 高配当ETFの活用が可能
米国市場では、分散された高配当ETFも人気です。
ETF名 | 利回り(目安) | 特徴 |
---|---|---|
VYM | 3.2% | 大型バリュー株中心、分散性高い |
HDV | 4.0% | 財務健全性重視、セクター偏りあり |
SPYD | 4.5% | S&P500の高配当上位80社、景気敏感 |
SCHD | 3.6% | 増配重視、パフォーマンス安定 |
デメリット・注意点
日本株の注意点
- 配当回数が年1〜2回のため、収益機会が少ない
- 減配や株主優待改悪が急に行われることもある
米国株の注意点
- 為替リスクがある(ドル高・ドル安の影響)
- 米国源泉税10%+日本課税で二重課税リスク
- 確定申告で「外国税額控除」を使わないと税負担が重くなる
ハイブリッド戦略:両方を活かすポートフォリオ構成
事例① 日本株で利回り確保+米国ETFで分散
安定した配当収入をJTや三菱HCキャピタルで得つつ、VYMやSCHDで米国全体に分散する構成。
事例② 米国ETFをつみたてNISAで運用、日本株は特定口座で
NISAの非課税メリットを米国ETFの増配+四半期配当で最大化。
事例③ 為替を考慮して「円高時に米国株」「円安時に日本株」
為替のタイミングを見て、ドルコスト平均法で調整する中級者向け戦略。
よくある質問(FAQ)
Q. 二重課税ってどうやって防ぐの?
A. 「外国税額控除」を確定申告で申請すれば、米国で引かれた10%を日本の税額から差し引けます。
Q. 米国高配当ETFはNISAで買える?
A. 新NISAでは米国ETFもつみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも購入可能です。
Q. 日本株と米国株は半々で持った方がいい?
A. 資産分散・為替ヘッジの観点から半々〜7:3での保有は有効です。投資目的と年齢で配分を調整しましょう。
まとめ:自分の目的に合った高配当株を選ぼう
日本株は高利回りで税制がシンプル、米国株は増配と分散性に強みがあり、それぞれの特徴を活かすことが重要です。
「どっちが正解か」ではなく、「自分に合った戦略をどう組むか」を意識することで、長期的に安定したインカムゲインを得ることができます。
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