自動売買における「設定項目」とは?
取引通貨ペアの選び方
通貨ペアによって値動きの特徴やボラティリティが異なるため、最初は「値動きが比較的安定した通貨ペア」を選ぶのがセオリーです。- おすすめ:USD/JPY(米ドル円)、EUR/USD(ユーロドル)
- 避けたい:GBP/JPY(ポンド円)などの高ボラ通貨
取引ロット(数量)の設定
取引ロットは損益の振れ幅に直結するため、資金に対して適切なサイズを設定することが重要です。資金 | 推奨ロット(1ポジションあたり) |
---|---|
10万円以下 | 0.01ロット |
10万円〜30万円 | 0.02〜0.05ロット |
30万円以上 | 0.1ロット〜(ただし分散前提) |
利確・損切り幅の設定(TP・SL)
自動売買では「損小利大」の設定を意識することで長期的に安定した収益を狙えます。- 利確幅(Take Profit):20〜50pips程度
- 損切り幅(Stop Loss):10〜30pips程度
- 比率の目安:TP:SL = 2:1以上が理想
最大ポジション数と同時稼働制限
「含み損が膨らんで証拠金維持率が急落…」といった事態を避けるため、最大ポジション数は資金に対して無理のない設定にしておきましょう。- 推奨:資金10万円あたり最大3ポジションまで
- 制限のないEAは注意:暴走リスクがあるため必ず上限を設ける
初心者におすすめの初期設定パターン
低リスク型(安定運用タイプ)
- 通貨ペア:USD/JPY
- ロット:0.01ロット
- TP:30pips / SL:15pips
- 最大ポジション数:3
バランス型(利益とリスクの中間)
- 通貨ペア:EUR/USD
- ロット:0.02ロット
- TP:40pips / SL:20pips
- 最大ポジション数:5
高リスク・高リターン型(攻めの設定)
- 通貨ペア:AUD/JPY
- ロット:0.05ロット
- TP:60pips / SL:30pips
- 最大ポジション数:7
おすすめ設定比較表
タイプ | 通貨ペア | ロット | TP | SL | 最大ポジ数 |
---|---|---|---|---|---|
低リスク | USD/JPY | 0.01 | 30 | 15 | 3 |
バランス | EUR/USD | 0.02 | 40 | 20 | 5 |
高リスク | AUD/JPY | 0.05 | 60 | 30 | 7 |
設定別シミュレーション:月利×元本別の収益イメージ
シミュレーションの前提条件
ここでは以下の条件をもとに、月利3%、5%、10%のパターンで「資金がどう増えるか」をシミュレーションしてみます。
- 初期資金:10万円、30万円、50万円の3パターン
- 運用期間:1年間(12ヶ月)
- 月利は単利で計算(複利は次項参照)
単利ベースの収益早見表
初期資金 | 月利3% | 月利5% | 月利10% |
---|---|---|---|
10万円 | 13.6万円(+36,000円) | 16.0万円(+60,000円) | 21.0万円(+110,000円) |
30万円 | 40.8万円(+108,000円) | 48.0万円(+180,000円) | 63.0万円(+330,000円) |
50万円 | 68.0万円(+180,000円) | 80.0万円(+300,000円) | 105.0万円(+550,000円) |
月利3%でも1年で+36%の利益。低リスクでも十分な成果が見込めることがわかります。
複利運用シミュレーション(再投資あり)
利益を再投資する複利方式では、成長スピードが加速します。以下は「10万円で月利5%」を複利で運用した場合のシミュレーションです。
月数 | 資産(概算) |
---|---|
1ヶ月 | 105,000円 |
3ヶ月 | 115,763円 |
6ヶ月 | 134,009円 |
12ヶ月 | 179,585円 |
約1.8倍に増加しており、長期的に複利運用を意識することで資産形成の効率が上がることがわかります。
自動売買設定における注意点と最適化のコツ
「過剰最適化」リスクとパフォーマンス劣化
バックテスト結果が良いからといって、それが今後も通用するとは限りません。過剰に特定期間に合わせた設定はリアル運用で機能しないことも多く、過信は禁物です。
週1回のパフォーマンスチェックを習慣化
設定を放置せず、週に1度の振り返りで以下をチェックしましょう:
- 含み損や損切りの頻度
- 収益曲線の安定性
- ロット・ポジション数が過大になっていないか
小さな改善の積み重ねが安定運用につながります。
証券会社・システムとの相性も意識
同じ設定でも、スプレッドや約定力、ツールの仕様によって成績が変わる場合があります。
以下のようなチェックをしておくと安心です:
- 取引コスト(スプレッド)が狭いか?
- VPS(仮想サーバー)対応で安定稼働できるか?
- 設定の保存・復元・バックテスト機能があるか?
初心者は、運用実績のある国内業者+公式ツールから始めるのがベストです。
まとめ:まずは「低リスク設定」で自動売買に慣れよう
自動売買は放置で利益が出る“夢の仕組み”のように思われがちですが、実際には「設定」次第で成果が大きく分かれるのが現実です。
とくに初心者の場合は、最初からリスクを取りすぎず、堅実な設定でスタートすることが成功への第一歩になります。
この記事で紹介した設定の考え方やシミュレーションをもとに、ぜひあなたに合ったスタイルで自動売買をスタートしてみてください。
最初は少額・低リスクで始めて、経験を積みながら微調整していくのがベストな戦略です。
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