外為オンライン×iサイクル2取引™用語集|基礎から実務まで
iサイクル2取引™は「設定して回す」だけに見えて、実はレンジ設計・本数・利確幅・資金配分・KPI管理など複数概念の総合格闘技。言葉を正しく理解できるほど、設定の根拠が強くなり、ブレない運用に近づきます。本用語集は、外為オンラインでの実務判断に直結するよう、短文の定義+式や使い所まで一気に確認できる構成です。
この記事で分かること
- iサイクル2取引™で頻出する基礎用語・設定パラメータの要点
- 証拠金・リスク・コストに関する計算式と現場での使い方
- 運用の改善に必須なKPI(数値管理)と検証用語の基準
- 迷った時に役立つ早見表とチェックリスト
基礎概念
- レンジ(価格帯)
- 想定して運用する価格の範囲。上限・下限・中心を決め、設置位置と本数密度を配分する起点。
- 上限/下限
- レンジの境界。外縁からの再開は在庫膨張リスクが高い。再開は中心→外側へ段階化。
- 中心価格
- レンジ中央の基準値。中心は密、外縁は疎の配分で偏りとDDを抑える。
- トレンド/レンジ相場
- 一方向に進む/往復しやすい相場状態。iサイクルは本質的に往復(回転)で利確するため、レンジ性が味方。
- ボラティリティ(Vol)
- 価格変動の度合い。利確幅・本数・ステップ幅の決定に直結。
- ATR(Average True Range)
- 一定期間の平均的な値幅。利確幅=ATR×0.5〜0.8などの基準に使う。
- pips(ピップス)
- 価格の最小単位。1pips価値は通貨/ロットで異なる(例:ドル円1万通貨でおおむね100円/1pips)。
- スプレッド
- 売値と買値の差。約定のたびに確定コストとして発生。
- スリッページ(滑り)
- 注文価格と約定価格の差。イベント/薄商い/成行多用で拡大しやすい。
- 約定力
- 希望条件で約定する力学。発注方式・板の厚み・時間帯・システム負荷に影響される。
設定パラメータ(iサイクル2取引™)
方向・幅・密度
- 方向(買い/売り/両建て)
- 基本は片方向で管理容易。両建ては一時的ヘッジ用途。常用はコスト増で非推奨。
- レンジ幅
- 運用範囲の広さ。広いほど想定外に耐えるが回転効率低下。狭いほど効率↑だがDDに弱い。
- 利確幅
- 1回の利益確定幅。ATR連動で設定し、相場の息に合わせる。
- 本数(密度)
- 注文の本数。密度↑で回転↑だが在庫膨張・維持率低下のリスク。中心密・外縁疎で配分。
- ステップ幅
- 注文間隔の最小単位。狭すぎると過密。ボラと利確幅に整合。
数量・在庫・テンプレ
- ロット(数量)
- 1回の発注単位。許容損失=残高×1〜2%から逆算して決める。
- 最大建玉(上限)
- 同時保有の上限。上げすぎるとDD拡大。維持率の安全域で抑える。
- テンプレ(設定テンプレート)
- 日付・意図付きで保存。1回1変更→評価→採用/撤回の変更管理が鉄則。
証拠金・リスク管理
主要指標と計算式
- 必要証拠金
- 概念式:
必要証拠金 ≒ 取引金額 ÷ レバレッジ
(取引金額=約定価格×通貨数量)。 - 有効証拠金
- 口座残高に評価損益等を反映した値。維持率計算の分子。
- 証拠金維持率(%)
維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
。警戒/縮小ラインを事前定義。- 追証・ロスカット
- 規約で定義された水準で追加差し入れ/強制決済が発生。早い縮小が最大の防御。
- DD(ドローダウン)/最大DD
- 資産のピークからの下落幅/最大下落。レンジ外走りや過密配置で拡大。
- 1pips価値
- 通貨×ロットで異なる。式のイメージ:
1pips価値 ≒ ロット数 × 通貨仕様
(通貨別に要確認)。
ロット・損切りの逆算
- 許容損失額
許容額 = 残高 × 許容率(1〜2%)
。- ロット計算(目安)
ロット = 許容額 ÷ (損切りpips × 1pips価値)
。- 段階縮小
- 維持率やDD悪化でロット→本数→外縁の順に縮小。再開は25%→50%→75%→100%。
コスト・損益・利回り
- 実現損益/評価損益
- 確定した損益/未確定の含み損益。運用の見え方が異なるため混同しない。
- スプレッドコスト
総コスト ≒ 約定回数 × スプレッドpips × 1pips価値
。回転が増えるほど積み上がる。- スワップポイント
- 金利差調整額。長期保有では寄与/逆風の両面。金利サイクル転換に注意。
- 実質利回り
(実現損益+スワップ−総コスト)÷ 平均有効資金
。コスト/リスク込みで評価。
KPI(数値管理)とレビュー
- 勝率
- 勝ちトレード比率。単独評価はNG。RRとセットで解釈。
- RR(リスクリワード)
- 平均利益/平均損失。勝率と組み合わせて収益性を判断。
- PF(プロフィットファクター)
- 総利益/総損失。1.0超で優位性。コスト込みで計算すること。
- 実質コスト比率
- 総コスト/総売買高。タイムセグメント別にモニタリング。
- 遵守率
- 自己ルールの遵守度。80%割れ継続=設定/運用の過負荷と判断して是正。
検証・改善のための用語
- バックテスト
- 過去データでの検証。スプレッド+滑りを上乗せし現実的に。
- フォワード検証
- 直近データでの前向き検証。小ロット実運用まで繋げる。
- ウォークフォワード
- 学習/検証期間を前へずらす手法。過学習の検出に有効。
- 過学習(オーバーフィッティング)
- 過去にだけ強い設定。再現性が低いため採用しない。
- 変更管理/ロールバック
- 1回1変更→効果判定→採用/撤回。戻せる運用が崩壊を防ぐ。
用語ミニ早見表
用語 | ひとことで | 実務での使い所 |
---|---|---|
レンジ幅 | 運用の枠 | 広さでDD耐性と回転効率のトレードオフを調整 |
利確幅 | 1回の利益 | ATR連動で相場の息に合わせる(0.5〜0.8倍目安) |
本数 | 密度 | 中心密・外縁疎で在庫偏りを抑える |
維持率 | 余力の健全度 | 黄色/赤ラインを事前定義し早期縮小を徹底 |
実質利回り | 稼ぐ力の総合値 | スプレッド/滑り/スワップ込みで年換算評価 |
遵守率 | ルール順守度 | 80%割れ継続は運用過負荷→設定/作業の是正 |
迷ったらこの3つだけ:
- 用語→数値化:利確幅・本数・維持率を数字で可視化
- 小さく試す:1回1変更・小ロット・1〜2週間の検証
- 戻せる設計:テンプレ保存→効果なければ即ロールバック
まとめ
用語の理解は、そのまま設定根拠=運用の安定度に直結します。特に、レンジ/利確幅/本数/維持率は毎週のレビュー対象。定義→数式→使い所をワンセットで押さえ、小さく変更→効果検証→ロールバック可の運用に統一すれば、iサイクル2取引™はぶれにくくなります。
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